2008年9月15日
……なんか変なコトしたくなるよ、お前……。
新しい職場に初めて出社した日、
嶋はエレベーターで二日酔いの男と一緒になる。
それが、新しい上司・外川との出会いだった。
無遠慮で図々しいように見えて、
気遣いを忘れない外川に惹かれる嶋だが、
傷ついた過去の経験から、一歩を踏み出せずにいる。
一方、忘れることのできない記憶を抱えながらも外川は傷つくことを恐れず、
嶋を思う心を隠さない。
好きだけど、素直にはなれない――……。
不器用な想いの行方は?
※「どうしても触れたくない」あらすじ参照
ヨネダコウ先生描く「どうしても触れたくない」はそれぞれの抱える過去がなんともせつないBL漫画です。
惹かれ合う2人の恋心がじっくりと描かれており、とても深みのある内容で何度も読み返したくなる作品。

実写映画化もされ、BL漫画の名作として語り継がれている有名な1冊!
それでは「どうしても触れたくない」のあらすじやネタバレ、感想レビューをご紹介していきますね!
「どうしても触れたくない」のざっくりあらすじ
まずは「どうしても触れたくない」のざっくりとしたあらすじを紹介していきます!
嶋(しま)は転職初日に上司で二日酔いの外川(とがわ)と最悪の出会いをする。
ノリが軽くて自分とは真逆のタイプの外川を、嶋はヤな奴だと感じるが、その後外川の優しさに気付き、次第に惹かれていくように。
ある日外川は嶋を飲みに誘い、その帰りにキスをして、さらには家に持ち帰り体の関係を持ってしまう。
嶋は以前の会社でノンケの元彼とのツライ思い出があり、もうノンケなんて懲り懲りだと思っていたものの、外川に惹かれてしまうのを止められず…
そして外川にも過去にツライ経験を抱えていて、その傷を嶋は意識してしまい、近づきすぎることに臆病になるんです。
でも外川は嶋にどんどん距離を縮めてきて…?
エロシーンはほとんどありません。
とにかく内容重視な作品ですね!
2人がお互いの弱い部分に触れ、距離を縮めていく過程の描写がとても繊細。
そして過去に臆病になる嶋と、過去を含めて前に進もうとしている外川の相反する想いがせつなく絡み合ってとてもツライ。
それでも最後には心が温かくなる、そんなストーリーです。
BL初心者の方にもおすすめの作品だと思います!
「どうしても触れたくない」のネタバレ
ここからは「どうしても触れたくない」のネタバレに入りますのでご注意ください!

転職初日に嶋はエレベーターに駆け込んできた外川に出会う。
外川は二日酔いで酒臭く、初対面の印象は最悪。
嶋の上司である外川はノリが軽く、嶋は「ヤな奴」という印象を受ける。
後日嶋の歓迎会で、社員の一人に前の会社を辞めた理由を聞かれ、答えに渋っていると横から外川が別の話題を出して話を逸らしてくれるんです。
実は気遣いのできる優しい人なのだと嶋は気付いてしまったんですよね。
それからというもの、嶋はなぜか外川の存在が気になる日々。
過去にツライ恋愛を経験した嶋は、自分が外川に惹かれ始めていることに気付き、『学習しろ』と自分に言い聞かせて気持ちにストップをかけるんです。

でも惹かれていく気持ちは止められないんですよね~!!
ある日外川がふざけて嶋に絡んで目を合わせた時、嶋はつい顔を赤らめてしまう。
外川はその日から嶋が気になってしまい、頻繁にランチに誘ったり、何かとちょっかいをかけるように。
そしてついに2人で夕食に行くことになってしまい、そこでも意味ありげな発言ばかりされて嶋は落ち着かない気持ちになる。
その帰り道、外川は嶋にキスをする。
「そんな流れだったし」と軽く言ってのける外川は、あくまでも落ち着いていて、嶋はテンパっていた自分が馬鹿らしくなってきます。
そしてそのまま外川は嶋を家に連れて帰り、2人は玄関先でまた深いキスをするんです。

嶋を家に連れ帰った外川は
「変なコトしたくなるよお前…」
と言ってベッドへ連れ込む。
普段の印象と違ってエロい雰囲気を出す嶋に外川は興奮した様子で事を進める。
そこで嶋がゲイだと気付いた外川は、前の会社を辞めたのと関係あるのかと訊ねるんです。
社内で付き合っていた人がノンケで、別れたことをキッカケに辞めたのだと告げる嶋。
勘違いされちゃ困る、ノンケは懲りている、と言う嶋に、外川は
「まー心配すんな 俺も勢いだったし」と軽く話す。
けれどその後も外川と嶋の体の関係は続き、2人は頻繁に会うように。
ある日外川の家にある写真立てがいつも伏せられていることが気になった嶋は、その写真を見てしまう。
写真は家族写真で、外川は自分の家族のことを嶋に話し始めます。
外川が7歳の時に父親が交通事故で死に、ノイローゼになった母親は心中しようと家に火をつけたんです。
弟はその火事で死に、母親は5年服役した後に自殺。
家族写真は遺影だったんですよね。
「正直家族ってもんにはちょっと憧れんだよなァ」
と言った外川に、嶋の心は乱れます。
「外川さんはいいお父さんになりそうですよ」
そう外川に告げる嶋。
この時の嶋の心情を思うと本当にせつないですよね…

ゲイにとっては叶えられない夢だもんね…
会社で部下の小野田に、嶋との関係を疑われる外川は、うっかり嶋と体の関係があることをバラしてしまう。
そこで小野田は、嶋が前の会社で酷いイジメにあっていたことを外川に伝えます。
小野田の友達がちょうど嶋の前の会社の社員で、そこから話が漏れたんですよね。
嶋の元彼は、自分と嶋との関係が社内で噂になり、その噂を消そうと辛く当たっていたんです。
それを聞いた外川はその日嶋の家を訪れます。
嶋とたいして会話するでもなく、テレビを見て、勝手に風呂に入り、そのまま嶋のいるベッドへ潜り込んでくる外川。
何もせず、ただひっついて眠りに落ちた外川に、嶋は泣きたい衝動に駆られます。
嶋はもうどうしようもなく外川に惹かれてしまっている様子なんですよね…。

過去の恋愛のことを今でも度々夢に見てしまう嶋は、過去の傷が癒えていない様子。
外川が泊まりに来た翌朝、一緒に出勤しようとする外川に嶋は嫌がります。
変に思われるかもしれないと心配する嶋に、どうせ小野田にはバレたし、と外川は告げる。
その言葉に動揺する嶋だったが、外川は全く気にしていない様子で…
結局別々に会社に向かった2人。
会社で「嶋くん顔に出てる」と小野田に言われて嶋は困惑する。
デキてるとは思わなかった、と言う小野田に、付き合ってるとかじゃないと告げる嶋。
「そのうち飽きますから」
と嶋は言い、外川の気持ちに期待をしていない様子なんです。
小野田と嶋の会話のやり取りを、後で小野田から聞く外川。
外川は嶋の気持ちを知り、尋常じゃなくかわいい、と思ってしまいます。
外川も嶋にいつのまにかどっぷりとハマってしまっているんですよね。
その日の夜、外川は嶋にいつもより激しく求めてしまう。
「そろそろ、飽きませんか」と聞く嶋に、「飽きねぇーなーあ」と答える外川。

外川にこれ以上ハマりたくない嶋と、もうズブズブに嶋にハマってしまってる外川!
社内禁煙にも関わらず、堂々と喫煙していた外川だったが、ある日タバコやめる、と外川は言い出す。
そして新品のタバコの箱にマジックで『禁』と書いて嶋に「持っといて」と言って渡すんです。
最近嶋に対してすごく優しくなってきた外川に、嶋は動揺するようになる。
嶋は外川にどんどん惹かれてしまうのが怖くて仕方なくなるんです。
そんな中、外川に京都赴任の話が持ち上がります。
その日の夜、嶋といつものように会った外川は、
「良かったと思ってさ お前に出会えて」
と嶋に伝えます。
嶋は元彼に「お前に出会わなきゃよかった」と言われていたんですよね。
その傷が深く残っていた嶋にとって、外川の言葉はどうしても嬉しいもので…
嶋は自分からはじめて外川にキスをするんです。

その後京都への移動の話を受け入れた外川は、付き合っている人がいるならこれを機に身をかためたらどうかと上司に言われます。
そして後日、外川は半ば無理やり嶋を昼食に誘います。
公園のベンチで2人は食事を取り、外川は嶋に京都の件を伝えようとするんですが、ちょうどその時公園で遊んでいた子供のボールが外川の足元に飛んできます。
ボールを拾って子供に手渡し、子供と会話をする外川をせつない表情で見つめる嶋。
「そんな泣きそうな笑い方すんな 全然可愛くねえぞ」
と言った外川に、見透かされたような気がして恥ずかしくなった嶋はその場から逃げてしまう。

外川には家族、という言葉が似合うと思ってしまったんでしょうか…せつない…
結局外川から直接転勤の話を聞くことができず、嶋は小野田から転勤の話を聞くことに。
話を聞いた嶋はその夜、外川に会いたいと言って家に向かう。
外川の転勤を聞いた嶋は、もう自分たちの関係は終わるのだろうと思い込んで会いに来たんですよね。
でもそんな嶋に対して外川は
「好きだよ」
と言って、これからも一緒にいたいと告白をするんです。
泣きながらうまくいくはずがないと涙を流して訴える嶋ですが、外川は嶋のことが「可愛くて仕方がない」と言って引く気を見せない。
でも嶋には、外川の過去が引っかかって仕方がないんですよね。
「…俺には無理なんです…」
と嶋は告げるんです。

遠距離までして付き合う関係じゃない、と言い捨てる嶋に、外川は信じられない様子。
嶋の気持ちは明らかに外川に向いているのに、なぜここまで頑なに拒むのか訳が分からないんです。
でも嶋は、家族に憧れてる外川と自分とでは不毛な関係だと思っているんですよね。
そんな嶋の気持ちを知った外川は、
「そんなモンはな お前ともし出会わなくても簡単に穿いて捨てられる程度の憧れだ」
と告げます。
それでもその言葉を信用できない嶋。
しかも外川にそんな言葉を言わせてしまったことに自己嫌悪に陥るんです。
ツライ過去を持つ外川を、嶋は自分では幸せにはできないと強く感じてしまっているんですよね。
嶋は外川を想うが故に、外川といつか終わってしまうことを確信してしまっていて、傷付きたくないと逃げてしまっているんです。

外川を想う気持ちと自分が傷つきたくない気持ちが混ざってしまってる嶋…悲しい…
嶋の話を聞いて、それを受け入れた外川は、最後に一回やっとくか、と言い、2人は最後に体を繋げることに。
「酷い奴だ…」と告げられ、自分が外川に恨まれることを悟った嶋は、『それならそれで忘れずにいてくれるだろうか』と、最後まで外川への想いが断ち切れない様子なんです。
その後外川は京都に転勤し、外川の仕事は小野田に引き継がれ、社内は忙しい毎日。
そんな中、仕事で机の引き出しを探っていた嶋は、以前外川に渡された『禁』と書かれたタバコを見つけてしまいます。
そのタバコを見て、今までの外川との思い出が次々と溢れだし、嶋はつい涙をこぼしてしまいます。
最後にセックスをした日言われた、
「過去を恨めっていうのか」
という外川の言葉が、嶋の心にずっしりとのしかかるんです。

急に泣き崩れた嶋を見て、小野田は全てを察して会議室へと連れて行きます。
そこで小野田から、外川が最後まで嶋のことを気にしていたということを聞かされます。
仕事が終わり自宅へ帰った外川に、嶋から電話が入ります。
電話で嶋は泣きながら「すいません」と繰り返し…
自宅の近くを通った救急車のサイレンの音が、電話の向こうからも聞こえたことで、外川は嶋が近くまで来ていることを察します。
電話を切り、嶋のもとへ駆け寄った外川は、イラつきながら嶋に話を促します。
そして嶋は、自分が臆病になって怖くて逃げていたと外川に謝ります。
外川の家族への夢を奪いたくないと思っていた嶋ですが、
「どうしても一緒にいたくて」
と泣きながら打ち明けるんです。

やっとのことで自分の気持ちに正直になれた嶋…泣ける…
外川は嶋を抱きしめ、「俺のこと好きか?」と聞きます。
「好きです」と初めて自分の気持ちに素直になった嶋。
そして2人は外川の自宅のベッドでやっと想いの通じ合った行為をするんです。
外川は嶋に「ありがとな」と告げます。
これからの未来を一緒に歩めることへの感謝が込められているんですよね。
喜びと覚悟、いろんな想いが交ざり合い、嶋は涙を流すんです。
オマケ漫画の「ー週末ー」は嶋の家でイチャイチャする2人のお話です。
コタツに入って一緒に鍋を食べ、その後ひっついて話す2人。
下の名前で呼び合おうと提案する外川に嶋は動揺するも、話しているうちに隣で寝ちゃう外川。
そんな外川を見て、幸せだと実感する嶋なんです。
次のオマケ漫画「小野田課長は憂鬱」は嫉妬されてモヤモヤしちゃう小野田のお話です。
嶋に対して、そう簡単にときめくわけがないと思っていた小野田が、うっかり嶋にときめいてしまうという小話でした。
最後のオマケ漫画「夜明け前」は外川のツライ過去のお話です。
母親は刑期を終えた後に病気で亡くなったと知らされた当時の外川。
ですがその3年後の中三の夏、実は母親は自殺したのだと知ってしまうんです。
自分に死んでほしかったのに生きていたから死んだのではないか、自分に会いたくなくて死んだのではないか、自分が死ねばよかったのではないのか。
そんな想いが駆け巡り、自分が母親を恋しく思っていたことに気付きます。
その後、母親が生きていた頃の手紙を祖父に渡される外川。
手紙には、外川が生きていたことがたったひとつの救いだったと書かれていて、そこには家族写真が同封されていたんです。
そして時が経ち、外川は嶋に出会い、付き合いはじめ、ベッドで愛し合った後に外川は嶋に、
「お盆に実家帰るけど一緒に来るか?旅行がてら」
と言います。
その返事はないんですが…
嶋は嬉しくて泣いているんじゃないかな…と思わせるじんわりと心にくるシーンです。
「どうしても触れたくない」の感想レビュー
「どうしても触れたくない」は本当にせつなさのつまったBL漫画でした!
胸が締め付けられるシーンが多くて、じっくり、ゆっくりと読んでしまいます。
嶋の過去の恋愛の傷と、外川のつらい過去が重なり、踏み出すことが難しくなってしまう嶋の心情がせつない。
嶋はもう傷付きたくない、という想いが根底にあって、そもそも恋愛に対して臆病になってしまっているんですよね。
そこにきて、外川の過去がかなり重くって…
家族を失い、家族に憧れがある、と言った外川の言葉がずっしりと心にのしかかってしまうんですよ。
外川が好きだからこそ、幸せになってもらいたいという気持ち。
そして好きだからこそ、いつか終わってしまうなら初めからない方が傷つかないでいいと思ってしまう気持ち。
その両方が嶋の心にはあって、外川との未来を思い描けないでいるんですよね。
でも、それでも!
不毛だと分かっていても好きな気持ちを抑えられない、溢れる恋心…

抑えられないならもう、一緒にいちゃえばいいんですよね!
嶋がそう思えるようになって良かったです…
そして外川の方がチャラく見えて実はかなり真面目だと思うので、嶋を手放すことなんてないんだと思います!
外川はめちゃくちゃ嶋にハマっているし、覚悟もちゃんとしている様子。
2人って性格が真逆だけど、だからこそこれだけ惹かれ合っているんでしょうね。
嶋のぶっきらぼうだけどたまに見せる素直さは本当に可愛くて、モテるのもわかる。
そして外川も、男くささがあって、チャラそうに見えるけど気遣いのできる優しいところとか、嶋が思わずハマってしまうのがわかるんですよね。
2人とも本当に魅力的なキャラクターです!
「どうしても触れたくない」はエロシーンは少な目でしたが、内容のテイストからしてこれくらいが丁度いいと思えました。
セフレから始まった2人の関係だけど、この話はそれがメインじゃないって強く感じる!
せつなさでお腹がいっぱいなのでエロシーンはほどほどでオッケーです(笑)
「どうしても触れたくない」の続きは?ドラマCDや実写映画化も話題に!
「どうしても触れたくない」の続編は今のところ決まっていません。
ですが「どうしても触れたくない」のスピンオフ作品「それでも、やさしい恋をする」が発売になっています。
こちらは小野田がメインのお話なのですが、少しだけ嶋が登場するシーンも!
嶋と外川のその後の様子が少し垣間見れるシーンがあります。
「どうしても触れたくない」は2014年に実写映画化され、大人気のため当時異例のロングラン作品となりました。
実写映画の出演俳優キャストはコチラです。
- 嶋俊亜紀(しま としあき):米原幸佑
- 外川陽介(とがわ ようすけ):谷口賢志
- 小野田良(おのだ りょう):富田翔
さらに「どうしても触れたくない」は2009年にドラマCD化もされています。
ドラマCDの声優キャストはコチラです。
- 嶋俊亜紀(しま としあき):野島健児
- 外川陽介(とがわ ようすけ):石川英郎
- 小野田良(おのだ りょう):森川智之
ドラマCD化に実写映画化…すごい人気ですよね!
どちらも原作に忠実に、せつなくも心温まる作品となっているので是非チェックしてみてください!

